英語を話す自由人@Kanです。

TOEICの勉強をすると、つい、ありえない夢を抱いてしまいます。

それは、

TOEICで高得点が取れると、英語がペラペラに話せて海外の仕事で結果が出せる

という妄想です。

気持ちは分からなくもないですが、この妄想がさらに激化すると、自分のみならず周囲に迷惑をかけてしまいます。

TOEICの点数が低いから、英会話ができないんだ!

という風に自分を責めてしまい、

英語を話すためにTOEIC●点取るんだ!

とズレた方向に自分を追いやってしまうのです。

そんな不幸な事態に陥る人を減らすため、今回はTOEICとは無関係に英語を使いこなした2人の漢を紹介しましょう。

2人の姿を通じて、余計なテストの点数なんか取っ払って、英語を話すことに向き合っていただきたいと思います。

1年で英語をマスターした人のケース

1人目が、前にも紹介した三木雄信さんです。

三木さんは、英語をたった1年勉強しただけで、

・ナスダックジャパンの立ち上げ・開設スピーチ
・Yahoo! BBの品質管理(台湾工場との調整)
・その他、孫正義社長の海外出張のアテンド

などの大変なお仕事をこなされています。

さぞかしTOEICのスコアもすごいだろうと思いきや、英語学習1年後のスコアは、

765点(ソフトバンク入社時は560点)

です。TOEICマニアから見れば、失格な点数です。

私の学生時代は、860点か900点が海外駐在のボーダーなんて言われていましたが、そんなスコアに達してなくたって、バッチリ結果を出しているわけです。

こう書くと、つぎのように反論する人がいるかもしれません。

ただし、三木さんはスーパーマン。
三木さんは地頭いいんだよ。
英語だってアラビア語だって、何やらせたってできるから参考にならないぜ!

途上国で出会った路地裏の少年

そんな方に、ものすごいハンデ戦で戦っている漢を紹介します。

時代は若干さかのぼり、駐在して初めての冬休み(といっても現地は年中夏ですが)。

私は、同僚と長距離バスで旅行に出かけました。

友人とタクシーで某国首都にある長距離バスターミナルに向かうと、蒸し暑く甘ったるい空気の中で、バスと人でごったがえしていました。

どこで目的地行きのバスを拾うんだろうと、日本人オヤジ2人がターミナルをうろうろしていると、現地の小学生の兄妹が私たちに話しかけて来ました。

以下、兄妹との会話ですが、主に話していた兄貴(小学6年生)との会話です。

兄:Hi, Hello! Where are you going?

俺たち:We are going to 都市名.

兄:It’s terminal No.●, just over there. Ah… where are you from?

俺たち:Japan.

兄 :Where do you live in Japan?

俺たち:Tokyo.

兄:I know Japanese MANGA,….(日本の漫画や観光名所の話)

(うますぎる英語に圧倒される)

俺たち:ば、By the way, ほ、Why do you speak English so fluently?

兄:Ha ha… really? thanks. I want to become a tour guide. To practice English, we come here after school or on weekends to help foreigners like you. It’s a lot of fun!

俺たち:・・・・(金縛り)。

お礼を伝えて多少のチップを渡すと、兄妹は次のお客さんに向かって走っていきました。

Where are you going?

Where are you from?

Oh, you are from Germany!

おそらく、外人と会話を重ねながらテンプレート化したであろう、彼のフレーズを遠くに聞きながら、私たちは目的地に向かうバスに乗り込みました。

さて、ここで言いたかったことは、英語もろくに勉強せず旅行に出かけている自分が恥ずかしくなった、ということではありません(はずかしくなったのは事実ですが)。

彼は、TOEICというものを全く知らず、英会話だけを経験で磨き上げた
それでしっかりと英語が話せている

ということです。

途上国の人は、そもそもTOEICなんか知りません。

仮に知ってても、放課後にバスターミナルに小遣い稼ぎに来る子供が、年齢的にも、費用負担から見ても、TOEICに手が届くはずもありません。

それでも、TOEICのバカげたヒエラルキーなどお構いなしにアウトプットを徹底的に磨き、私も顔負けというかぼろ負けの英語を話していたのです。

では、TOEICのスコアのない彼は、英語を話す資格がないのでしょうか?

彼の英語は、TOEICのスコアがないがために「下手くそ」と判定されるのでしょうか?

TOEICのスコアと英会話を結びつけるのは無理スジだということにいい加減気づきましょう。

TOEICのプロの厳しいツッコミ

ここで議論をまとめようと思ったのですが、TOEIC業界の重鎮が私以上に舌鋒鋭くまとめっちゃっているので、ここに紹介します。

そのお方は、ヒロ前田さんです。彼が主宰するTOEICお悩み相談室から引用します。

相談内容は、こちら。

英会話が上手になりたいです。そのために、半年以内にTOEICで950点を取ってから、スピーキングテストを受ける予定です。アドバイスをください。

これに対し、ヒロさんはツンデレ(辛口&甘口)の2とおりの回答をしますが、辛口の回答が、こちら。

英会話の力を高めるのに必要なのは、英語を話す練習です。TOEICで950点を取る必要はありませんし、その後でスピーキングテストを受ける必要もありません。

繰り返します。

英会話の力を高めたければ、英語を話す練習をするべきです。

TOEICの本質を知り尽くしているだけに、突っ込みが鋭いです。ぼろくそすぎるので、気になる方はリンクをご覧ください。

まさにそのとおりのお言葉で、駐在して英語を話す練習をするしかない立場に置かれると、身に突き刺さりまくってしまうのですが、日本においては、「まずTOEICありき」信仰が蔓延しているのが残念なところです。

まとめ

今回は、TOEICをめぐる幻想についてお話をしました。

その幻想を一言でまとめると、

TOEICで高得点を取れば英語がペラペラになる
よって英語で仕事ができるようになる

というものですが、TOEICスコアを上げる勉強と英会話のスキルを磨く勉強は別物である以上、前者だけをいくらがんばったって、後者ができるようにはならない、ということです。

風が吹いたって桶屋は儲かりません。

日本語だってそうです。

プレゼンが苦手な人は、事前に、自分が作った資料片手に練習したり、コミュニケーションの学校に通ったりと、プレゼンそのものを磨こうとしますよね?

でも、日本語1級を取ろう、なんて考えませんよね?

英会話ができないということは、アウトプット(話すこと、書くこと)をさぼったツケが回ってきているということです。

そうと分かれば対策は簡単です。

ちょっと気楽に自分に向き合って、できることを少しずつやっていきましょう。

 

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